小児矯正における2期治療とは?永久歯列期の本格矯正の役割と特徴

▼目次

小児矯正(1期治療)は、あごの成長を利用して歯並びの土台を整える大切なステップですが、多くのケースではそれだけで矯正治療が終了するわけではありません。永久歯がすべて生え揃った後、最終的な歯列と噛み合わせを整えるために行うのが、「2期治療(本格矯正)」です。

1期治療を経た方の中には、「もうこれで矯正は終わり」と思っていたのに、再び装置の話が出て戸惑われる保護者の方も少なくありません。逆に、1期治療を見送った方にとっては、2期治療が“最初で最後の矯正治療のチャンス”となることもあります。

この記事では、2期治療の目的や適応の考え方、治療装置の種類、非抜歯の可能性まで、ご家庭でしっかり検討していただけるよう解説していきます。

1. 2期治療の目的とは?

2期治療の大きな目的は、永久歯がすべて生えそろった状態で、歯並びと咬み合わせの最終的な仕上げを行うことにあります。1期治療では、あごの成長を促すことで歯が並ぶスペースを確保したり、前歯の噛み合わせを整えたりすることが中心でしたが、2期治療では、より精密に1本1本の歯の位置を調整し、理想的な状態に仕上げていきます。

この段階では、歯のねじれや細かな凹凸、上下の歯の噛み合わせの高さ、左右のバランス、口元の見た目など、見た目と機能の両面を整えることが目的です。たとえば、笑ったときの歯の見え方、口元の横顔のライン、顎の動きといった細かな点まで治療対象となります。

1期治療を受けたお子さんであっても、すべての永久歯が自然に理想的な位置に生えてくるとは限りません。永久歯の大きさや生え方によっては、再度噛み合わせがずれてしまうことや、叢生(ガタガタの歯並び)が再発することもあります。

また、1期治療を行わなかった方の場合、2期治療が矯正のスタートになります。この場合は、すでに成長がある程度終了しているため、あごの骨格をコントロールする余地は小さいものの、永久歯が出そろっているために治療の見通しが立てやすく、合理的な治療計画を立てられるメリットもあります。

 
 

2. 2期治療で抜歯か非抜歯かの判断基準

2期治療を検討する際に、多くの保護者の方が気にされるのが「歯を抜く必要があるのかどうか」です。かつては「スペースが足りないから抜くしかない」という考え方が主流でしたが、近年では装置の進化や治療技術の向上により、非抜歯で治療が終了するケースも増えてきました。

実際に抜歯が必要になるのは、あごの大きさに対して歯が大きく、どうしても並びきらない場合や、口元が前に出ていて後退させる必要がある場合、あるいは前歯を内側に引っ込めるスペースを確保しなければならないケースなどです。とくに口元の突出感が強いお子さんの場合は、非抜歯で並べると却って横顔のバランスが崩れてしまうことがあるため、あえて抜歯を選択することもあります。

一方で、あごの大きさに余裕がある、歯のサイズが平均的、奥歯を後方に移動させる余地がある、口元を下げる必要がない、といった条件がそろえば、非抜歯での治療も十分に可能です。当院では、非抜歯治療を優先的に検討しながらも、見た目・機能・安定性の3つのバランスを重視して治療方針を決定しています。

矯正治療は大きな決断を伴う選択です。安易に「抜かずに済ませたい」とだけ考えるのではなく、お子さんの将来的な顔立ちや歯の健康までを視野に入れて慎重に判断していくことが大切です。

 
 

3. 2期治療で使用される装置と治療の進め方

2期治療では、1期治療とは異なり、永久歯が生えそろった状態で歯1本1本の位置を細かくコントロールする本格的な矯正が始まります。この段階では、症例やご希望に応じてさまざまな装置を使い分けていきます。

もっとも広く用いられてきたのは「ワイヤー矯正」で、歯の表面にマルチブラケットという装置を装着し、アーチワイヤーを通して力をかけることで歯を動かしていく方法です。カラーゴムで個性を出す楽しさもあり、審美性を高めたい方には白や透明のブラケットも選択できます。

一方で近年、特に注目が高まっているのがマウスピース型矯正装置(アライナー型歯科矯正装置)です。中でもインビザラインやエンジェルアライナーに代表される透明な装置は、目立ちにくく、周囲に気づかれにくいという審美面でのメリットがあります。さらに、取り外しができるため、歯みがきがしやすく、むし歯や歯肉炎のリスクの軽減も期待できます。

治療前には3Dシミュレーションによって、歯がどのように動いていくかを事前に可視化できるため、ゴールを共有しながら治療に臨める目に見えるからこその納得感もあります。日常生活へのストレスが少なく、写真や会話にも影響しにくいため、思春期のお子さんや、見た目を重視したい方にも非常におすすめできる選択肢です。

ただし、マウスピース矯正では1日20時間以上の装着が必要です。この装着時間をきちんと守らなければ効果が出にくくなるため、ご本人の性格や生活リズム、モチベーションなども大切な判断材料となります。

どの装置にもそれぞれの強みがありますが、目立ちにくさ、快適さ、衛生面の管理のしやすさを重視したい方には、マウスピース矯正は選びやすい選択肢といえるでしょう。歯科医師と相談のうえで、ご本人に合った最適な治療法を一緒に選んでいくことが大切です。

 
 

4. 横浜市青葉区の歯医者 荏田ファミリー歯科・矯正歯科の矯正治療

横浜市青葉区の歯医者 荏田ファミリー歯科・矯正歯科は、東急田園都市線「江田駅」東口徒歩7分の場所にある、青葉区・都筑区エリアに根ざした地域密着型の歯医者です。

①通いやすく、続けやすい診療体制・矯正をしながらの治療や予防も対応

荏田ファミリー歯科・矯正歯科は、東急田園都市線「江田駅」東口から徒歩7分。駐車場は8台分完備。青葉区・都筑区はもちろん、横浜市内や都内などにお住まいの方がお仕事や学校などで忙しい方でも通いやすいよう、土曜はもちろん、日曜も診療、オンラインでも矯正相談を受け付けております(夜間なども対応可能)。ベビーカーや車イスをご利用の方も安心して通院いただけるよう、院内はバリアフリー設計です。矯正しながらの治療や矯正治療中にできる限り虫歯にならないよう予防歯科的治療にも力を入れています。

②丁寧なカウンセリングと精密な診査

矯正治療は長期間にわたるため、不安や疑問をしっかり解消したうえで治療に臨んでいただけるよう、治療前のカウンセリングを重視しています。必要に応じてCTや口腔内スキャナーなどの機器を用いて、歯や顎の状態を詳細に確認し、治療内容・期間・費用について丁寧にご説明いたします。

③さまざまな矯正方法に対応

当院では、目立ちにくいマウスピース型矯正装置(インビザライン・エンジェルアライナー)をはじめ、ワイヤー矯正、部分矯正、小児矯正向けのプレオルソなど、複数の選択肢をご用意しています。患者さんのご希望やライフスタイルに応じて、適切な矯正プランをご提案いたします。

歯並びや噛み合わせのお悩みは年齢を問わずご相談いただけます。
まずは初回カウンセリングにて、お口の状態を確認し、治療の選択肢をご案内いたします。矯正治療に関する疑問や不安にも丁寧にお応えしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
 
 

まとめ

1期治療を経て、あるいは見送ったうえで行う2期治療は、お子さんの歯並びを最終的に完成させる「本番」の治療です。見た目だけでなく、しっかり咬めること、顎の関節への負担を抑えること、そして将来的にむし歯や歯周病になりにくい環境を作ることが、2期治療の大きな価値です。

当院では、1期治療で整えた土台を活かすため、また2期治療から始める方にも過不足のない治療を提供するため、丁寧なカウンセリングと検査を行い、一人ひとりに合った治療計画をご提案しています。

大切なお子さんの歯並びと口元の未来を、ぜひ一緒に考えていきましょう。治療開始のタイミングや費用、装置の種類など、ご不明な点があればいつでもご相談ください。

 

監修:荏田ファミリー歯科・矯正歯科 院長 八幡 誠
経歴:

鹿児島大学卒業
新潟大学大学院にて歯学博士(歯科矯正学)取得

取得資格:

インビザライン プラチナエリート ドクター
※インビザラインでの症例数が年間101~150症例のドクターにのみ与えられる認定です。

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