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歯列矯正で歯が動く仕組みとは?歯はなぜ移動するのかを解説

▼目次

1. 歯列矯正で歯が動くのはなぜ?組織の変化と仕組み
2. 歯の動かし方の種類
3. 矯正中の違和感や歯の動きに影響する条件
4. 横浜市青葉区の歯医者 荏田ファミリー歯科・矯正歯科の矯正治療

 

歯列矯正は「歯を動かす治療」として知られていますが、実際にどうやって硬い歯が動くのか、不思議に思われる方も多いのではないでしょうか。歯を支えているのは骨であり、一見すると動かすのは難しそうに感じられます。しかし、歯とその周囲には「歯根膜」や「歯槽骨」といった組織が存在し、これらが歯の移動に大きく関わっています。今回は、歯列矯正で歯が動く仕組みやその背景にある身体の働きについて、具体的に解説します。
 

1. 歯列矯正で歯が動くのはなぜ?組織の変化と仕組み

歯列矯正では、ワイヤーやマウスピースなどの装置を使い、歯に持続的な力をかけることで少しずつ位置を変えていきます。歯は骨にがっちり固定されているわけではなく、歯と骨の間にある組織が変化することで動く仕組みになっています。

①歯槽骨(しそうこつ)

歯を支える骨で、矯正の力が加わると一部が吸収されたり、新しく作られたりします。このサイクルが歯の移動を可能にします。

➁歯根膜(しこんまく)

歯と骨の間にある薄い膜で、クッションのように力を受け止めます。中には血管や神経が通っており、力の変化を感じ取って骨に信号を送ります。

➂シャーピー繊維

歯根膜に含まれる繊維で、歯と骨を結びつけています。矯正装置からの力を骨に伝える役割を担います。

④破骨細胞(はこつさいぼう)

押される側の骨を少しずつ溶かす細胞です。歯が進むためのスペースをつくります。

⑤骨芽細胞(こつがさいぼう)

引っ張られる側で新しい骨を作る細胞です。歯が移動した位置に安定してとどまれるように支えます。

このように、骨の吸収と再生を繰り返す「骨のリモデリング」が起こることで、歯は少しずつ動いていきます。矯正治療がゆっくりと時間をかけて行われるのは、この自然な仕組みを利用して歯を守りながら動かしているからです。
 

2. 歯の動かし方の種類

歯列矯正では、ただ歯を移動させるだけでなく、目的に応じてさまざまな方向や力を加える必要があります。歯の動き方には、以下のような種類があります。

①傾斜移動(けいしゃいどう)

歯の根の先から上の部分を支点にして、傾けるように動かす方法です。前歯の突出(いわゆる出っ歯)を治す際によく使われます。矯正治療の中でも頻繁に行われる移動です。

②歯体移動(したいいどう)

歯全体を平行に移動させる方法です。傾斜移動とは異なり、歯の根と歯冠が同じ方向へ一緒に動きます。抜歯後のスペースを埋めるときによく使用されます。

③挺出(ていしゅつ)

歯を歯ぐきの外へ引き出すように動かす方法です。歯ぐきも一緒に持ち上がるため、歯が長く見えるわけではありません。歯の根を露出させる必要がある場面などで使われます。

④圧下(あっか)

歯を歯槽骨に向かって押し込むように動かす方法です。動かすのが難しいとされる動きで、支点となる歯が挺出してしまうリスクもあります。

⑤回転(かいてん)

ねじれたり回転して生えている歯を、正しい位置に戻すための動きです。歯を軸にして回すような形で調整します。

これらの動かし方は、患者さんの歯並びの状態や治療の目的に応じて適切に組み合わせて使用されます。力の方向や強さを細かく調整することで、歯の移動が実現されます。

 

3. 矯正中の違和感や歯の動きに影響する条件

矯正治療中には、歯が実際に動いている証拠として「違和感」や「痛み」が現れることがあります。また、歯の動きやすさには年齢や装置の使い方、治療後の保定管理など、さまざまな条件が関係しています。ここでは代表的な要因を整理します。

①違和感や痛みの原因

歯根膜への圧力が血流の変化や軽度な出血を引き起こし、そこに破骨細胞や骨芽細胞が働くことで炎症が起こりやすくなります。このため、矯正直後や装置の調整後に鈍い痛みを感じることがあります。

②装置による刺激

ブラケットやワイヤー、マウスピースが頬や舌に当たって擦れることがあり、それによって物理的な不快感が生じることもあります。

③年齢による歯の動きやすさ

15歳ごろまでに矯正を開始した方が、歯槽骨や繊維が柔らかく、歯の移動がしやすい傾向があります。逆に、大人になってから始めると治療期間が長くなったり、後戻りのリスクが高まることがあります。

④装置の使用状況

特にマウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が短ければ治療が進まなくなります。ワイヤー矯正でも、部品の破損や異常がある場合はすぐに対処することが重要です。

矯正中の痛みや違和感、そして歯の動きには必ず理由があります。これらを理解しておくことで、矯正治療を前向きに続けやすくなり、治療終了後の満足度にも繋がる可能性があります。

 

4. 横浜市青葉区の歯医者 荏田ファミリー歯科・矯正歯科の矯正治療

横浜市青葉区の歯医者 荏田ファミリー歯科・矯正歯科は、東急田園都市線「江田駅」東口徒歩7分の場所にある、青葉区・都筑区エリアに根ざした地域密着型の歯医者です。

①通いやすく、続けやすい診療体制・矯正をしながらの治療や予防も対応

荏田ファミリー歯科・矯正歯科は、東急田園都市線「江田駅」東口から徒歩7分。駐車場は8台分完備。青葉区・都筑区はもちろん、横浜市内や都内などにお住まいの方がお仕事や学校などで忙しい方でも通いやすいよう、土曜はもちろん、日曜も診療、オンラインでも矯正相談を受け付けております(夜間なども対応可能)。ベビーカーや車イスをご利用の方も安心して通院いただけるよう、院内はバリアフリー設計です。矯正しながらの治療や矯正治療中にできる限り虫歯にならないよう予防歯科的治療にも力を入れています。

②丁寧なカウンセリングと精密な診査

矯正治療は長期間にわたるため、不安や疑問をしっかり解消したうえで治療に臨んでいただけるよう、治療前のカウンセリングを重視しています。必要に応じてCTや口腔内スキャナーなどの機器を用いて、歯や顎の状態を詳細に確認し、治療内容・期間・費用について丁寧にご説明いたします。

③さまざまな矯正方法に対応

当院では、目立ちにくいマウスピース型矯正装置(インビザライン・エンジェルアライナー)をはじめ、ワイヤー矯正、部分矯正、小児矯正向けのプレオルソなど、複数の選択肢をご用意しています。患者さんのご希望やライフスタイルに応じて、適切な矯正プランをご提案いたします。

歯並びや噛み合わせのお悩みは年齢を問わずご相談いただけます。
まずは初回カウンセリングにて、お口の状態を確認し、治療の選択肢をご案内いたします。矯正治療に関する疑問や不安にも丁寧にお応えしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

まとめ

矯正治療を検討する際は、まず現在の口内の状態を把握することが大切です。歯列矯正で歯が動くのは、歯根膜に力が加わることで血流が変化し、破骨細胞と骨芽細胞が働くためです。

装置の力によって骨の吸収と再生(骨のリモデリング)が繰り返され、歯が徐々に移動します。違和感や痛みはその反応のひとつで、年齢、装置の使い方、毎日のケアも歯の動きに影響します。これらを理解しておくことで、前向きに治療へ取り組むことができます。

歯列矯正についてお悩みの方は横浜市青葉区の歯医者、荏田ファミリー歯科・矯正歯科までお問い合わせください。

 

監修:荏田ファミリー歯科・矯正歯科 院長 八幡 誠
経歴:

鹿児島大学卒業
新潟大学大学院にて歯学博士(歯科矯正学)取得